ネタバレを含む記事です
本の内容をご存じない方、紹介ページを別に書いていますので、まずはそちらをお読みください。これから本作を読んでみようと思われる方は是非、本を読んでから見に来てください。
復讐スタイルは人それぞれ
主人公竜泉佑樹は復讐の為、幽世島のロケに参加しましたがターゲット3名に復讐する事と同じくらい他の無関係な人間を巻き込まない事を大事にしていました。佑樹が緊急連絡用無線を破壊した事でマレヒトから逃げられなくなった事は大きな罪悪感をもたらしました。そして、佑樹は復讐計画とマレヒトの擬態を暴き無関係の人間を助けるという二つの目標に集中することとなります。殺されたターゲットをみて、「なんで勝手に殺されているんだ」と憤り、人を助けるために命を懸けた行動をする感情めちゃくちゃな主人公ですが、冷静は判断やとんでもない状況を受け入れて対応する柔軟性には驚きました。ここら辺の適応力は竜泉一族に伝わる『どんなにあり得ないことでも起こり得る』からくるのでしょうか・・前作時空旅行者の砂時計ではタイムトラベルが一族に深くかかわり、その世界線の竜泉の子孫、故にマレヒトという謎の存在をすんなり受け入れていたのでしょう。これは前作を知らない場合はそのあまりの適応能力にひいてしまうかもしれませんね。
さて、見出しには復讐は人それぞれとあります。これ、どういうことかというとこの幽世島のロケには佑樹と全く同じ目的で参加した人物がもう一人いたのです。それが三雲絵千花。ロケ唯一の演者でアナザースカイのミステリツアー版みたいな番組のメインをつとめる歌手でした。佑樹の幼馴染、菜穂子とは親友で遺書を預かったのも絵千花でした。これはストーリーの最後に明らかになるのですが、全く予想がつきませんでした。絵千花は佑樹よりも復讐を重視していて、マレヒト登場以降は多少の犠牲は織り込み済みで計画を修正していました。その事が事態を複雑にし、佑樹を悩ませたわけですが。ただし、絵千花も無関係の人間を危険にさらした罪悪感を強く感じており、最後は自分の命を懸けてマレヒトを撃退しようと頑張っています。
マレヒトも二人!
復讐者が2人いた幽世島ロケですが、マレヒトも二人?2体?存在していました。45年前のマレヒトが生き残っていたのです。これに気づいてからは推理がぐんぐん進んでいきます。後半の2転する推理は楽しくて引き込まれました。45年間の事件では三雲絵千花の祖母が命をかけてマレヒトの情報を後世に残しました。マレヒトは45年に一度、幽世島に現れる事、島民はマレヒトを退治する事、その他にも弱点や倒し方について残していたのです。絵千花の祖母の代までは退治に成功していましたが、45年前の事件では事情を知らない教授のせいで島民は全滅、マレヒトも島外に逃げ出してしまいました。そのマレヒトがまさに45年後のこの時ロケのスタッフに紛れて島に戻ってきていたという事です。マレヒトも1体ではたいした戦闘力もなく、倒した相手に擬態し吸血した人間の記憶を得られる程度の能力であった為、45年間人類は無事でした。それが、この島にわざわざ戻ってきた理由、みなさんは推理できますか?
その理由とは繁殖の為でした。なんと一度の出産で500体も産まれると。こんなものを島の外に出してはさすがに人類は絶滅してもおかしくありません。
前作に引き続き、今回も人類を救う物語になったのでした。
まとめ
本作もかなり尖った設定のミステリでした。いきなりの宇宙人登場から45年ごとの島民の戦い、これだけならファンタジーです。しかし、死体の偽装やマレヒトの特殊能力をフルに活用したトリックの数々はよく読んでメモをとる等すれば真相とまではいかずともそれぞれの事件のタネは解くことが出来たんじゃないかと思える理論的な展開でした。前作よりもストーリがすっきりとしていてわかりやすいように感じたのでテンポよく読みたい方は楽しく読めんたんじゃないかと感じました。
佑樹と絵千花は結局自分の手を汚さずターゲット3人の復讐を完了し、マレヒトも2体撃退しハッピーエンドかなと。殺された三人は極悪非道って感じが出ていてまぁしょうがないよと思ってしまいました。
今回は、あまり細かくトリックについては話していません。もし、気になった方は読んでみていただくと緊張感やドキドキを楽しめて、悪い奴がちゃんと成敗される安心感もあるのでお勧めです。
3作目を読んだらまた感想を書いていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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